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リニアで東京~名古屋40分 中部圏の大学レベル低下の恐れも

 2027年、東京~名古屋間にリニア中央新幹線が開通し、品川駅から名古屋駅まで最速40分で結ばれる。これによって、日本人の生活にどんな変化が生じるのか。

 名古屋が東京の“郊外”となり、事業所数の増加やベッドタウン化による人口増加も考えられるが、逆に東京への一極集中が加速し、名古屋が地盤沈下する可能性もある。

 これまでは「ひとり暮らしは大変だから」と地元の大学への進学を勧めていた親も多いだろうが、リニアの登場によって東京との距離が縮まり、東京の大学に進学させるケースが増える。

 大都市志向の若者たちがこぞって中部地方から出て行くようになれば、名古屋大学を中心に中部地方の大学のレベルは大きく低下する可能性がある。

 さらには、名古屋の病院から患者が東京へ大量流出する事態も考えられる。

「医療機関の数では圧倒的に東京が上で、名医とされる人も集中しています。リニア開業によって家族の見舞いなどの負担も減れば、首都圏の病院で手術を受けたいという患者が増える可能性は十分ありますね」(医療ジャーナリストの油井香代子氏)

 さらに大きな視点からリニアの開通で日本は世界に占める位置を高めるはずだと語るのは、『リニアが日本を改造する本当の理由』(メディアファクトリー新書)の著者で明治大学専門職大学院長の市川宏雄氏。

「製造業に強みを持つ巨大都市・名古屋が突然、サービス業に強みを持つ東京の“近郊”になるわけです。そうなれば東京の都市圏に名古屋が組み込まれ、世界でも類を見ない5000万人弱の新巨大都市圏ができる。もともと世界最大級の都市圏である東京圏が世界一の都市圏となり、エンターテインメントやビジネスなど、あらゆる意味で世界の中心となるはずです」

※週刊ポスト2013年10月18日号

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