歯周病によって失われた歯茎や、歯槽骨、セメント質を再生し、元通りに治す──まさに夢のような再生医療の研究が、東京女子医科大学先端生命医科学研究所・岩田隆紀特任講師のもと進められている。
治療の主役は、親知らずなどの抜歯により採取した歯根膜細胞。培養した細胞を先端技術でシート化し、欠損部分に移植する。現在は、中等度の歯周病患者で臨床研究を実施しており、数例で組織再生が確認されている。
「細胞シートは移植時の縫合も不要で、短時間で移植部と一体化し組織を再生することがわかっています。将来に向け誰にでも適応できる細胞シートの研究を目指していきます」(岩田特任講師)
写真は、同大学の岡野光夫教授が開発した温度応答性培養皿に載る細胞シート。中等度の歯周病患者の欠損部に貼り付けたところ、術後6か月、4症例で平均2.5ミリの歯槽骨再生が確認された。
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撮影■太田真三
※週刊ポスト2013年10月25日号