テレビをつければ、かつて一世を風靡した芸能人の子どもたちが毎日のように画面に姿を現わしている。IMALUや高橋真麻、仁科仁美、坂口杏里など、2世タレントを見ない日はないといってもいいほどだ。なぜ、このような状況になっているのか。テレビ局関係者はこう話す。
「今のテレビは、リアルタイムでテレビを観る主婦層をターゲットに作っている番組が多い。ですから、『主婦なら何を喜ぶか』と考えた上で、キャスティングも決まりがちなのです。会議では、『あの人の2世なら、主婦が喜ぶのでは?』という意見が出てくる。たとえば、20歳くらいの若手でも、親が有名人なら、主婦層も興味を持って観てくれるのではないかと考えるわけです」
一般的に世間知らずでわがままなイメージを抱かれることも多い2世タレントだが、実際はそんなことはないという。
「2世で感じの悪い芸能人ってほとんど聞かないですね。第一、自分の何が求められているのかをよく理解している。出てきていきなり、親とは関係のない趣味の話をする……なんて人はいない。親の七光りがあるから、自分は出て来られるんだ、とわかっているから、親とのエピソードを嫌がらずに話してくれます。
有名人になりたいと考える人は、思いが強すぎて、『これはやりたくない』『あれはしゃべりたくない』『自分はこういうスタイルで行く』と決めてしまう場合もある。でも、2世は『まずは売れるために、求められることをしよう』というスタンス。そして、『名前が売れたら自分のしたいこともできるんじゃない?』と芸能界に対応している」(同前)
こうした考え方は、ブレイクする芸能人に共通する法則だという。
「自分のやりたいことだけを頑なに貫き通そうとしても、それは世間に求められておらず、消えていく人はたくさんいますからね。2世の親だって、ずっと一線で売れた人ばかりではなく、山あり谷ありの芸能人生を送っている人がほとんどですから、その親の様子を間近で見てきたので、柔軟な考え方で対応できているのでしょう」(同前)
2世タレントがテレビに出まくっている理由は、親の七光りだけではないようだ。