国際情報

中国で未成年の人工流産が問題化 不妊につながるとの指摘も

 大メディアが報じない隣国の性にまつわる実態。中国に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 一人っ子政策、子供誘拐問題など生育の問題に揺れる中国社会の新たな問題として浮上してきているのが人工流産の問題である。9月29日の新華社の報道によれば、現在、中国では毎年約1300万件以上の手術が行われているという。

 もちろん数字は世界一だが、問題はむしろその中身だという。

 まず指摘されなければならないのは、人工流産問題がほぼ未成年者の性の問題とイコールで、約半数は過去にも同じ手術を受けた経験を持っているということだ。

 中国では年々不妊という問題も大きくなってきているが、その原因として人工流産との関係を疑う声は根強い。〈不妊で悩む女性の8割は過去に人工流産の手術を経験している〉とし、〈人工流産手術が4回を超えると、不妊症発症率は92.13%にも達する〉と記事は指摘している。

 また、別の問題として医療体制の不備を挙げることもできるようだ。

 中国では、「術中も術後も痛みは一切なし」とか「手術にかかる時間はわずかに数分間」、「48時間で原状回復」といった宣伝文句を並べた人工流産の広告がメディアや媒体にあふれているが、本当にそうであるかについては疑問が残るという。

 実際、国家衛生計画生育委員会の発表によれば、人工流産手術の全件数1300万件のうち、1000万件は薬物によるもの、もしくは民営医院(=非正規の病院)での手術というのだ。こうした事情が未成年女性の死亡事故にもつながっていることは言うまでもない。

 一方で子供を誘拐する犯罪組織に依頼してまで子供を欲しがる人間がいて、一方で人工流産を繰り返す未成年がいる。マッチングが上手くいかない現実を示しているが、こうした現実があるからこそ、医者が犯罪組織に子供を売るという事件も起きてくるのだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン