時はバブル末期。27才で年収は2億円、ブランドものに海外旅行、果ては億ション購入と、夢のような生活をしていた岡本夏生(48才)。その後、テレビ画面から姿を消した10年間を経て、お金に対する考え方が大きく変わったという。
「いつの日か底をついてしまうであろうお金と、終わりの見えない潜伏期間という名のトンネル。このままだと、確実に破産する恐怖を感じた」(岡本・以下「」内同)
そんな岡本の節約術は、当たり前のように浪費していた日常の出費を見直すことから始まった。まずは携帯電話の使用料。
「固定電話と違って携帯は30秒で20円近くも通話料がかかる。簡単な内容ならメールで充分ね」
少し話すつもりが、あっという間に1時間になってしまうのがガールズトークというもの。岡本も、何時間も通話して支払いがウン十万円なんてこともあったそうだが、今では高くても月に1万円以下。
「電話をかけるときは固定電話を使うように意識しているし、用事は全部メールで伝えます。相手から電話をもらっても、通話料がかさまないよう手短に済ませます」
携帯からかけてきた人には、目の前に固定電話があるならかけ直すよう促す徹底ぶり。
「“会社の携帯だから大丈夫”ってみんな答えるけど、そういう意識からして、ダメなのよ」
さらに目を光らせているのは、ポイントカードや金券の期限だ。
「ふと気づいたら期限が切れてポイントが失効していた、なんてこと、よくあるじゃない? だから有効期限を忘れないよう、油性フェルトペンで書いておくの。500円の金券でも、お金はお金。でも、期限を1日でも過ぎたらただのゴミよ。常に意識していることで、ボケ防止にも一役買ってるわ(笑い)」
タクシーの利用も極力減らし、乗った時でも2メーター手前で降車して歩くこともザラ。
「少額でも節約って大事。メーターが上がって余計にかかった90円を“たかが90円”ととるか“されど90円”ととるか。チロルチョコが9個買えると考えたら、バカにできないでしょ。電気代も、使用アンペアを見直して、出かけるときはブレーカーを落としてるわ」
自他共に認める倹約生活を送る岡本。お金が無限にかかるゴルフや、贅沢なブランド品の購入といったことには、今は一切興味がない。
「ブランドものの時計を30個持っていたところで、つけられるのは1個だけ。今の時代は携帯があるから、腕時計がなくても不自由しないしね」
それでも、ただひたすらケチってお金を使わないわけではない。
「お世話になっている仲間にご馳走したり、世界遺産を見に行ったり、あと終活にはお金を使う意味を感じてるわ。貴重な体験と時間を買うことにお金を使うのは大好き。捨て金は一円も使いたくないけど、生き金ならジャンジャン使うわよ」
※女性セブン2013年10月24・31日号