最近、人気上昇中の「リアル脱出ゲーム」。これは株式会社SCRAPが主催するゲームイベントで、参加者はある空間に閉じ込められ、そこに残されたヒントを頼りに、暗号や謎を解き、制限時間内の脱出を目指す。通常、一緒に行った人と、あるいはその場にいる人とランダムにチームを組んでゲームを進行していく。
2007年に京都で第1弾イベントが開催されて以降、日本全国だけでなく、最近ではアメリカや韓国、台湾などでも開催されるほどの人気ぶりだ。今は使われていない学校や病院の建物を使用するなど、舞台設定にもこだわりをみせ、富士急ハイランドでは『エヴァンゲリオン』と、東京ドームシティアトラクションズではAKB48の渡辺麻友とコラボするなど、話題性も取り入れている。『リアル脱出ゲーム密室美少女』(テレビ東京)や『リアル脱出ゲームTV』(TBS)などテレビ番組とのコラボだけでなく、10月25日には謎解き映画『マダム・マーマレードの異常な謎』が公開される。
リアル脱出ゲームの常連男性(20代前半)は、このイベントの魅力について、こう語る。
「リアル脱出ゲームって名前だけ聞くと、ぼんやりしたイメージしか持てないのですが、実際に体験してみて、初めて出会った人と協力して謎を解いていく気持ちよさにびっくりしました。
僕はバイオハザードとのコラボで初めてこのイベントを知ったんですけど、なにより謎解きが難しくて超苦戦しました。イベントにもよりますが、脱出できる確率は意外と低く、僕が行ったときは20%前後でした。実際にそのときは脱出できなくて、とても悔しい思いをしたので、すぐに同じ相手と別のリアル脱出ゲームに行きました」
リアル脱出ゲームの元運営スタッフの男性も、リピーターが多いと証言する。
「たしかに、脱出できなかった悔しさから、リピートしてくれる人は多かったですね。あとは恋人同士でいらっしゃる方がとても多いです。年齢層は20代が中心。口コミで知ったという人もいますし、デートスポットとしてネットで採り上げられる機会も多いようです。
『エヴァ』や『まゆゆ』、『名探偵コナン』など人気コンテンツとのコラボも、リアル脱出ゲームの知名度を上げており、動員数もスタッフの数も、普通の脱出ゲームとは段違いだと思います。
このゲームの一番の魅力は、閉じ込められた場所から、協力して謎を解くスリル感だと思います。私も初めて体験したとき、ゾクゾクしてたまりませんでした。ジェットコースターみたいな物理的なスリルでもないし、ホラー映画を観るのとも違う。このスリル感は、他のどんなゲームでも味わえないと思います。デートで来たら、いわゆる吊り橋効果で、恋人同士の仲が深まるかもしれません」
「吊り橋効果」とは、ハラハラドキドキするスリル感を、脳が恋愛感情と勘違いしてしまう現象のこと。これからは単なるゲームイベントとしてだけではなく、デートスポットとしても注目を集めそうだ。