マツコ・デラックス(40才)が、テレビに出るようになって8年が経つ。現在出演するレギュラー番組は、『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)や『5時に夢中!』(TOKYO MX)、『ホンマでっか?TV』、『アウト×デラックス』(いずれもフジテレビ系)など計7本。今や超売れっ子としての地位を築いたが、本人は何も変わっていない。
たとえば、逸見太郎(40才)によれば、出会った当時と変わらず、今でもガラケーを使っているという。
「デジタル化、つまり、今を追いかけたくないそうです。アナログであり続けたいというか、人と人のつながりを大事にしていきたいんだと思います」
そして、他者への気遣いを忘れないと、今回取材した関係者の多くが口にした。それは、人から白い目で見られ、マイノリティーのなかのマイノリティーであると強く感じた過去があればこそだろう。
『井筒とマツコ 禁断のラジオ』(文化放送)で共にパーソナリティーを務める映画監督の井筒和幸さん(60才)は、そんなマツコの優しさに目を細める。
「マツコは、工事現場で働いているような、たくましい男の子が大好き。住んでいるマンションの下で工事が始まったら『差し入れです』ってお茶を届ける。あの子は優しいのよ」
優しい眼差しは、好みの男の子にばかり向けられているわけではない。
『アウト×デラックス』で共演した矢部美穂(36才)の母・矢部文子さんも、マツコの優しさが忘れられないひとりだ。
「楽屋にいると、必ずマツコさんの方から“よろしくお願いします”と挨拶に来てくれるんです。そして、“バラエティーなのでキツいことも言いますけど、勘弁してくださいね”とまで言ってくれるんです」
一般人である文子さんは本番収録中に、NGを出してしまいスタッフに「きちんとやってください」と注意されることもしばしば。そのときマツコはスタッフをこう言って叱り飛ばすという。
「素人だからそこがいいんじゃないの! 何がNGよ! お母さん気にしないでね」
人気を得た今でも、マツコは“自分はマイノリティーだ”という意識を変わらず持っている。だからこそ、弱者への目線がどこまでも優しい。売れっ子になっても決して天狗にはならない。
「私は娘が3人いますけど、娘以上の気配り、心配りを見せてくれるのがマツコさんです」(文子さん)
※女性セブン2013年10月24・31日号