中国で「性の改革開放」が猛烈な勢いで進んでいる。中国在住フリーライターの西谷格氏が赤裸々な実態を報告する。
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上海市内にある総合大学の校門前。全国から集まったエリート学生たちが下校する夕方、じっと観察していると、時おり奇妙な場面に出くわす。
ポルシェやベンツ、ボルボなど、学生に似つかわしくない高級車が横付けされて、ブランドもので着飾った若い女たちが乗り込んでいくのだ。迎えに来た男たちは30代後半~40代が中心。なかには50~60代と思しき男性も複数いた。
カップルにしては不釣り合いな女子大生たちは、中国の都市部で増えている「週末愛人」。講義のない週末に富裕層の男性と愛人関係を結んでいるのである。
「週末愛人」は数年前から存在が指摘されていたが、就職難が続いている近年ではその数が急増しているとされ、大学卒業後も本格的な愛人として継続するケースもある。
大学4年生、22歳の「週末愛人」に話を聞いた。女優の蒼井優に似た端正な顔立ちの美人。日本でも人気があるブランドのTシャツをラフに着こなし、化粧は薄め。童顔で、純朴な印象だ。
「彼と出会ったのは半年前。バス停で待っていたら突然目の前に黒いボルボが停まって、『近くまでなら送ってあげる』と声をかけられたんです」
男は不動産会社の社長をしていた。車中で連絡先を交換すると、翌日には高級海鮮レストランで食事をおごってもらった。その1週間後の彼女の誕生日には、高級ホテルの眺めの良い一室を借り、友人たちを呼んで盛大に祝ってくれた。
パーティーを終えて部屋で2人きりになったときに渡されたのが、ダイヤモンドが散りばめられたカルティエのブレスレット。価格は8万元(約130万円)。交際を申し込まれ、そのまま一緒に寝た。
「コンドームを使ったことは今までに一回もありません。彼のために、避妊用ピルを飲んでいます」
それでも交際2か月後には妊娠してしまい、中絶する代わりに白色のボルボ(約500万円相当)を貰ったという。
※SAPIO2013年11月号