現在公開中の2つの映画、是枝裕和監督の『そして父になる』、そして白石和彌監督の『凶悪』。前者は、病院で子供を取り違えられてしまった父親の葛藤を描いた作品で、第66回カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞。後者は、ノンフィクション小説『凶悪-ある死刑囚の告発-』を映画化した社会派サスペンスだ。
この両作品で、「明るく庶民的な父親」と「凶悪な殺人犯」という、まったくの正反対の役を好演しているのがリリー・フランキー(49歳)だ。両映画を実際に観た人からは、その振れ幅に驚きの声が上がっている。大学生A氏(21歳)は、こう語る。
「自分はドラマ『最高の離婚』がきっかけで真木よう子さんと尾野真千子さんのファンになったので『そして父になる』を観たんです。その映画で真木さんのダンナさんを演じていたリリーさんが羨ましくて、最高にいい夫婦に見えましたね。その後、友だちに連れられて『凶悪』を観てビックリ。リリーさんが、ガチで凶悪な役だったので、『あの優しいお父さんが殺人してるよ……』とトラウマになりそうでした(笑)」
実は、リリー・フランキーだけではなくピエール瀧も両作品に出演している。サブカル男子のBさん(24歳・ショップ店員)は、大好きなピエール瀧を観に映画館へ足を運んだのだという。
「もともとピエールさんのファンで、『凶悪』を観ました。自分はサブカル寄りなので、もちろんリリーさんも好きで(笑)。そのあと話題になってる『そして父になる』を観て驚愕しました。年齢も性格も全然違う人を演じてたので、ピエールさんよりリリーさん派になっちゃいそうです(笑)。
『おでんくん』を描いたイラストレーターとか、エロいおっさん、というイメージしかなかったので、リリーさんがあんなに演技が上手いとは思わなかったです。やっぱりサブカル系の俳優さんって、なにやってても肩の力が抜けててカッコイイですよね」