中国の国家公務員試験が今年11月23、24の両日実施されるが、これまで2時間半だった試験時間が今年は30分延長されて3時間になった。今年は習近平指導部発足後初めての公務員試験で、習政権は毛沢東思想重視などの左傾化傾向を強めているため、今回は新たにイデオロギー重視の問題が出題されるのではないかとの観測が飛び交っている。
受験者にとって気になるのは、試験時間が30分延長されることだが、これについて、試験問題を作成する中国国家公務員局の係官は「今年は例年の問題の傾向を分析して、調整を加えることになったため」と発表した。
どのような「調整」が加えられるのか。これについて、ネット上では、「マルクスレーニン主義や毛沢東思想など、思想問題がかなりのウェイトを占めるのではないか」との見方でほぼ一致している。
というのも、中国政府は最近、報道関係者25万人に対して、「中国の特色ある社会主義」や「マルクス主義報道観」などイデオロギー色の強い問題についての研修と試験を受けさせることを決定しているからだ。
習近平主席は今年8月、全国の宣伝担当者の会議で、「イデオロギー工作は党の極めて重要な任務だ」と述べて言論統制を強める構えをみせている。このため、報道関係者のみならず、国家公務員試験でも思想問題を重視するのは当然というわけだ。
昨年の国家公務員試験では、応募者は150万人以上で、実際に受験したのは111万7000人。140機関で2万人あまりを採用したので、単純計算では倍率は55倍以上だが、最も人気がある職種の倍率は7645倍だった。
中国では習主席の一連の重要講話集が売り出されて、各機関で勉強会が開かれているが、受験生にとっても必読書となりそうだ。