日本発祥の“美”の世界は、海を越え、驚きの進化を遂げていた。写真の女性たちが身を委ねたのは、マスター“K”というアメリカ人。彼は、1970年代、学生として日本に滞在していたときに緊縛に興味を持ち、それ以来、40年にわたって研究を続けてきたという。
その成果をまとめたのが『緊縛の文化史』(すいれん舎刊)である。この本は、既に世界65か国で売られている。
「私は、KINBAKU写真にありがちな派手な衣装や照明、わざとらしい背景は極力排除した。ここにあるのは、伝統的なフォルムと、縛られることで感受性豊かな彼女たちが得た深遠なエモーションだけだ」
と語るマスター“K” の緊急来日写真展「KINBAKU: Form & Emotion ──日本人の知らない日本美」はギャラリー新宿座で10月23日~11月3日まで開催(R-16)。彼が到達した、肉体や文化を超えたアートの神髄を、とくとご覧いただきたい。
緊縛■マスター“K” 写真■ダグラス・トマス
※週刊ポスト2013年11月1日号