芸能

『凶悪』で注目の役者・ピエール瀧「不確定感が魅力」との評

 役者・ピエール瀧(46才)に注目が集まっている。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』、映画『凶悪』、『そして父になる』と話題作に立て続けに出演。ユーモアを感じさせる寿司店の大将から、元ヤクザの死刑囚までを演じ切り、抜群の存在感を見せている。

「あの独特のキャラクターは、ほかにいません。脇をしっかりと固める役者として今、映画関係者の間で必ず名前が挙がるひとりです」(映画関係者)

 本業は役者ではない。石野卓球と組んだテクノバンド、「電気グルーブ」のメンバー、ミュージシャンだ。1990年代は音楽関係での仕事がメインだったが、2000年以降は、映画、ドラマなどで役者としての起用が目立っている。

 映画解説者・中井圭さんは次のように語る。

「ピエールさんは電気グルーヴでも演奏をするということはあまりなく、コスプレをしたり、ユニークなパフォーマンスをしたり、特殊な立ち位置にいる。役者もやるけれど、本業は別にある。そういったきちんとカテゴライズできない独特の不確定感をもっている。それこそが彼の魅力だと思います」

 今年になってからは『あまちゃん』で、寿司店の大将・梅さんを好演。口数こそ少ないが存在感のあるユニークなキャラクターを演じ、“ジョジョ立ち”するシーンも話題を呼んだ。

 一方で、『凶悪』では、新境地を開拓したといえよう。“先生”の指示で残虐極まりない殺人を繰り返す元ヤクザの役で、スクリーンに“凶悪”な姿を見せつけた。

「『凶悪』では、ぼくらが見たかったピエール瀧さんの姿があると思うんです。これまでは『あまちゃん』のように、いい人や、ひょうひょうとしている人、つかみ所がないキャラクターの役が多かった。素材としては、ぱっと見はとても強面なのに、変化球で使われすぎていたんですよね。それをストレートに使ったのがこの作品だと思うんです。それが見るほうにとっては新鮮で、結果的に見事にはまったといえます」(前出・中井さん)

『凶悪』の白石和彌監督も、試写会で「顔はどう見ても怖いのに、氷屋のおやじとか、いい人の役ばかり演じていて何でだろうと思っていた」と、起用の理由を語っていた。
 
 ピエール瀧自身は当初、「自分にこの役ができるのか?」と思ったとあるインタビューで明かしているが、誰もが認めるはまり役となった。見る人に強烈な印象を残したのは間違いない。

関連記事

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン