2年前に監督を不本意な形で退任しながら、落合博満(59)氏は中日ドラゴンズのゼネラルマネージャー(GM)に就任した。どうやら落合氏は、再びプロ野球に関わる日がそう遠くないことを1年以上前から感じ取っていたようだ。
このたびの森繁和・ヘッドコーチ招聘にはこんなウラ話が囁かれていた。
「実は昨年オフ、森氏には某球団から投手コーチのオファーが来ていたが、森氏はそれを断わった。その理由は落合氏から“オレは来年もう一度ユニフォームを着ることになる。その時まで待っていてくれ”と告げられたからといわれている」(プロ野球OB)
この時、落合氏がGMという肩書きを背負うと予測していたかはわからない。しかし、再び球団の指揮を執る自分の姿を思い描いていたことは確かだろう。落合氏は、雑誌のインタビューにこう話している。
〈現代は、社会も組織も目まぐるしく動いている。部長や課長としてやるべきことは、自分がその立場になってから考えればいい──。これでは遅すぎるだろう。(中略)常に「自分が部長ならどうするか」という目線を持つことは、仕事の感性を磨いてくれると感じている〉(週刊ダイヤモンド・2013年6月15日号)
ならば、落合氏はGMとしてのビジョンも準備万端、整えているということになろう。
※週刊ポスト2013年11月1日号