初回視聴率21.2%と好スタートを切った『リーガルハイ』(フジテレビ系、毎週水曜22時~)。主人公の毒舌弁護士・古美門(こみかど)研介を演じる堺雅人(40才)の演技もさることながら、脚本や演出の面白さも人気の秘密だ。話題のあのシーンはいかにして生まれたのか、共演者に明かした堺のポリシーとは? 気鋭の脚本家・古沢良太さんが撮影の裏側を語る。
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堺さんは“演技オタク”ですよ。この仕事が大好きで常にさまざまな演技プランを考えている。古美門は当初、もう少しクールな役柄のはずでしたが、堺さんの突き抜けた演技であそこまでハイテンションなキャラになりました。
今回の第1話でも、冒頭で『半沢直樹』ばりの真顔アップから一転して、コスプレアイドルの『妄想腐女子ガール』をコミカルに歌って踊ってくれました。堺さんは撮影前、「これを歌うのか…」と悩んでいたので、振り切って踊ってくれて感謝しています(笑い)。
以前、ゲスト出演した広末涼子さんが、「『リーガルハイ』は大好きだけど、自分が出演しないともっと客観的に楽しめるのに」と漏らしたんです。すると堺さんは「俺は自分が出ていなかったら見ない」とピシャリ。彼は自分が“演じたい”人で自分がかかわらないドラマに興味がない。そんな人だから、幼稚でわがままでバカだけど、切れ味鋭く汚い策謀にも長ける古美門の二面性をあのテンションで演じ切れるのでしょう。
ドラマは今回も遊び心満載です。第1話で滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」ばりに古美門が「き・み・じゃ・な・い」と話すシーンは、台本では「君じゃない」というセリフだけでした。実は撮影現場で堺さんと新垣さんが「こうしたらどうか」とあれこれ相談して決めたそうです。完成シーンを見て正直、また“やりやがったな”と思いました(笑い)。
「やられなくてもやり返す。誰彼かまわず八つ当たりだ!」という古美門のセリフは、『半沢直樹』の初回放送を見て、「倍返しだ!」が流行るかなと思ってふざけて書いたんです。その後、予想以上の大ブームになり恥ずかしくなったけど、今さらやめようと言えず(笑い)。今後は『あまちゃん』を思わせる回もありますよ。
今シーズンから出演の小雪さんは、日本中から嫌われている悪女の死刑囚役です。重いテーマをコメディーにするため、とにかくエロいキャラにしました。裁判は最終回まで続きますが、小雪さんの出番は毎回少しだけ。いつも古美門と拘置所の面会室で「高速回転三所攻め」「あなたは早い」といったエロい話をするんです(笑い)。
とにかくバカなことを目一杯やっているドラマです。毎回笑って一日の疲れを吹き飛ばせるので、ぜひ最後まで見てください。
※女性セブン2013年11月7日号