昨今、ネットを中心に話題の「腐女子」。男性同士の恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)小説やBL漫画を愛好する女性たちを指すが、そんな腐女子が年を重ねると、「貴腐人」や「お蝶腐人」などと呼ばれることもある(男性は「腐男子」と呼ばれる)。
かつてNHKの有働由美子アナがBL好きをテレビで公言して話題となったが、実際は多くの腐女子たちが、自らの趣味・嗜好を周囲に隠すのに躍起になっている。自らを「腐女子」というAさん(27歳)は、高校時代からの「腐女子仲間」とある約束をしていると話す。
「高校からの3人トリオで同人活動をしています。私たちは腐女子であることを周りの友達や恋人に隠し続けてこの年まで来たので、もう友人というよりも戦友に近いですね(笑い)。
そのメンバーのだれかが急死したり入院したりしたら、私の部屋のあの引き出しの中身を親にバレないようにソッコーでかくまってくれ、という約束もしています(笑)。鍵付きなので、鍵をお互いで共有しているんですが、なにせBL本やBL関係のCDの量が尋常じゃなく多いので、家族に隠すのも大変なんです」(Aさん)
反面、周囲に自分が腐女子だということがバレても、受け入れてもらえることもある。BL漫画とBL小説をコミケに出品し、ネットでも作品を公開しているBさん(29歳)のケース。
「私は付き合って2年目がいるんですが、ずっと腐女子であることを隠してたんです。全然オタクのことを知らない彼なので、話したらすぐにフラれるだろうと心配で……。
ところが、先日引っ越しをした際に油断して、自室の整理を彼にまかせてしまったんです。そしたら『こういうの好きだったんだね(笑)』と優しく言ってくれて、なんだか隠していたことが申し訳なくなってしまいました。とっさに出た言葉が『ありがとう、ごめん!』……って。動揺する私にも笑顔でスルーしてくれたので嬉しかったです。仲が深まりました」(Bさん)
隠すべきか、カミングアウトすべきか……。腐女子たちの葛藤は続く。