「芸人として何がいちばん悲しいって、好かれる・嫌われるのランキングにまったく入らないってことですよ。ランキングに入るってことはよくも悪くも世間一般の人たちの頭の中に、ぼくの存在があるって証拠ですからね」
舞台に上がり、ナルシストキャラを演じれば、客席からいっせいに「きもーい」の声。「抱かれたくない芸人」「ブサイク芸人」といういささか不名誉なランキングでは、堂々(?)の1位を総ナメ。
でもそれが逆に人気で、“勘違いしたナルシストキャラ”がすっかり定着したお笑いコンビ『NON STYLE』のツッコミ担当の井上裕介(33才)。著書『スーパー・ポジティヴ・シンキング』(ヨシモトブックス)のタイトル通り“スーパー・ポジティヴ”な考え方は、透徹した理論となる。
「ぼくの理論は、好きと嫌いは表裏一体。例えば、ぼくのことをナルシストで気持ち悪いヤツって思っている人が、ふとした瞬間、ぼくの謙虚な部分を見て“意外”と思って、別の印象を持つかもしれない。好きも嫌いも簡単に裏返すことができるんですよ。最初にマイナスなイメージを持たれるのは悪いことじゃない。すぐに、“好き”というプラスにひっくり返せばいいんですから」(井上)
自信たっぷりに笑顔を見せられると思わず納得してしまうが、その笑顔、幼少時代からほめられ続けてきたという。
「昔からおばあちゃんは“ゆうちゃん(=井上)の笑顔はかわいいねえ”と言ってくれました。だから今でも自分の笑顔はとびっきりかわいいという自覚があります。わざとらしいとか、目が笑ってないとか、けなされることもありますが、気にしません。笑顔はぼくの武器ですし、それを見て面白いと思ってくれる人がいればそれでいいと思ってますから」(井上)
※女性セブン2013年11月7日号