ここ最近、頻繁に起こっているインターネット投稿における悪質事件。東京・三鷹で起きた女子高生刺殺事件でも、犯人が勝手に女子高生の裸の画像や動画をインターネットにアップする危険な投稿が発覚した。
評論家の呉智英さんはこう指摘する。
「若者の悪ふざけなんて昔からあった。戦前の旧制高校では、わざとバンカラで街を練り歩いたり、悪ふざけにしても身内だけのコミュニティーでのものにすぎなかった。それがインターネットの普及によって、局地的な自分たちだけの悪ふざけだったものが全国的に広がってしまうんです。
そこで、おれもマネしてみようと思う者が出てきてしまった。この問題は若者のモラルの低下ということではなく、若者が全世界に広がるインターネットという道具の使い方をきちんと認識していないからに他ならない。ただ、認識を高めたとしても、例えばアメリカの銃社会のように、あちこちで銃が犯罪に使われてしまうように一度使われてしまったものは簡単にその使い方を縮小できない文明的な問題なんです」
さらに三鷹女子高生刺殺事件のような交際相手の写真をネット上にまき散らす行為については、
「交際している時は、お互いの信頼関係によってそういったものを送ったとしても大丈夫なんですが、気持ちが変わって別れてしまうと今回のようなリベンジポルノという形になってしまいます。手紙を使って愛をささやきあえば、そんなことはありえないんですけどね。手紙1枚なら、簡単に捨てることができ、消すこともできますから」(前出・呉さん)
便利な一方で、今一度、ネットの危険性についても話し合うことが重要なのではないか。
※女性セブン2013年11月7日号