事件報道に登場する犯人女性や権力者の愛人たちはいずれも貪欲で気が強い。だが、それは特殊なケースではなく、一般的な中国人女性の気質である。中国社会に詳しい経済学者の田代秀敏氏が解説する。
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1978年の改革開放まで、中国人女性はスカートをはけなかった。1960年代後半から1970年代半ばまで吹き荒れた「文化大革命」の影響で、人民服が最もポピュラーな服装だったからだ。恋愛は難しく、結婚・離婚は職場の上司の許可が必要だった。
だが現在、女性は肌の露出が多い服を着て、スカートは日本人のそれよりもずっと丈が短い。若い女性は人前で恋人と激しいディープキスをする。女性の気質が変わったように思えるが、これは歴史上わずかな期間抑圧されていただけで、何も変わっていない。もともと大胆で気が強いのだ。
男性に一方的に頼ろうという気はあまりない。男女は「対等」が原則だ。 例えば外食するとき。中国では一緒のテーブルで二人だけで食事する男女はかなり深い関係だ。男性が女性を二人だけの食事に誘うことは重い意味を持つ。
男性に頼らず、盲従しないかわりに、男性をこき使う。大皿料理を取り分けるのは男の仕事だ。原則は「対等」だが、「力がいる仕事は男のほうが向いている」とか、「これは男がやったほうが効率がいい」といった理由で結果的に男性側にかなりの部分を負担させる。
その傾向は恋人となるとより顕著になる。街を歩いている男女が付き合っているかどうかは一見してわかる。恋人ならば、男性がすべての荷物を持たされているからだ。
また、デートの待ち合わせで男が1時間待たされるのはざらだ。女性は遅れて来てもしばらく陰からそれを見ていることがある。男性がいかに自分を大切に思っているかを確認しているのだ。男側もわかっていて、恋い焦がれて待たなくてはいけない。暇つぶしにスマホやタブレット端末を見てはいけない。
※SAPIO2013年11月号