2011年11月、千葉県船橋市に住むデザイナーが「長年住んでいる船橋市を活性化したい」と考え、作った“ゆるキャラ”がふなっしーだ。
2012年7月に船橋市役所を訪ねたふなっしー。これは同年11月に開かれた『ゆるキャラさみっと』への参加条件となる自治体の“公認”をもらうためだった。しかし、ふなっしーに突きつけられた答えは“NO”。これがふなっしーと船橋市の約15か月に及ぶ闘いの始まりだった。
翌8月には、東京で行われた船橋の梨のPRイベントに無許可で乱入。このときのことをふなっしーは、自身のHPでこう綴っている。
<船橋市長が苦笑いしていたのが印象的>
だがこの“乱入”こそが、船橋市の態度を硬化させる要因となったという。
「このイベント乱入で、当時の藤代孝七市長(70才)が、ふなっしーのことを毛嫌いするようになったそうです。大事な市のPRイベントに得体の知れない着ぐるみが現れて、“ヒャッハー!”とやったもんですから、市長からすれば“何だ! アイツは!”となりますよね」(船橋市関係者)
しかし、今年8月の『ご当地キャラ総選挙』で見事優勝するなどの活躍ぶりに、いよいよ船橋市も無視を決め込むことができなくなった。10月24日、「年齢層を問わず、船橋のイメージアップに貢献してくれている。お礼の気持ちを伝えたい」と感謝状を贈ることを発表したのだった。
15か月に及ぶ船橋市との闘いに見事、ふなっしーは勝利を収めたのだ。
そして“和解”の最大の要因と市関係者の中で囁かれているのが“市長の交代”だった。今年7月、4期市長を務めた藤代前市長が退き、副市長だった松戸徹氏(58才)が新市長に就任した。
「市には“公認してあげて”という声が結構届いていたんですけど、ふなっしーを毛嫌いしていた藤代前市長は決して首を縦に振ることはなかったんです。松戸新市長は前市長ほど頑なではなかったため、“市のために貢献してくれるなら”と感謝状を贈ることを決めたみたいですよ」(前出・船橋市関係者)
ただ松戸新市長は、こうつけ加えている。
「ふなっしーも望まないだろうから、公認はしない」
思わぬ発言に、まだまだ闘いは続くのかと思ったけど、
「公認により自由な活動を制限されることはふなっしーも望んでいないと思われますので、公認をする予定はありません。これからも自由に活動していただきたいと思っております」(船橋市政策企画課)
※女性セブン2013年11月14日号