国土交通省発表の平成25年版「土地白書」によると、国民の意識調査で持ち家を希望する回答が8割を切って79.8%に、「借家でかまわない」と回答した人が調査以来最高の12.5%となり、持ち家にこだわらない風潮が表れてきた。
一方で、40代以上は昔と変わらずマイホームを欲する傾向にある。欲しい家は次の2つのタイプに分かれるという。
ひとつは、都心回帰。郊外の一戸建てから駅に近い都心のマンションに引っ越す人が増えている。
郊外で生活するには車が欠かせず、その分、コストがかさむ。でも、都心なら交通網が発達しているため電車やバスで済む。余計な維持費がかからないから、年金生活者でも安心して暮らせる。そのため、特に定年退職をした高齢者の夫婦が都心回帰をしているという。
一戸建てよりマンションのほうが、日当たりや眺望が望めるほか、階段がないため掃除に手間がかからない、防犯性が高いなどといった利点もあげられる。
そして、もうひとつがリフォーム住宅の増加だ。中古物件を買って、自分の好きな中身を作り上げる。壁の色はもちろん、間取りも変えられる。
矢野経済研究所の調査によれば、今年上半期のリフォーム市場規模は、3兆905億円と前年同期比より10%増えている。
リフォームの魅力は、安い箱(物件)を買って、中身を思い通りに作り上げていく自由度にあるといえる。都内に住むA子さん(50代)は最近、子供が大学進学で家を出たのを機に、夫と中古物件を購入した。
「新築のマンションだと値段が高いうえに内装が趣味に合わないことが多く、しかもそのほとんどが未完成だから、モデルルームでしか判断できません。その点、中古は現物だから、眺望や日当たり、騒音などもすべて確認できる。
いろいろと見て回った結果、中古を買って思い切ったリフォームを施しました。老後を見据えてバリアフリーはもちろん、趣味の茶道が自宅で楽しめるように、和室を作りました。
同じお金がかかるなら、好みを反映できる中古物件のほうが、断然居心地がいいと思います」(A子さん)
※女性セブン2013年11月14日号