【マンガ紹介】
『小学生のヒミツ(1)』中江みかよ/講談社/450円
『トンネル抜けたら三宅坂(1)』原作・森高夕次 劇画・月子/小学館/580円
先日、渋谷の109に行きました。驚いたのが、小学校高学年とおぼしき女の子たちがたくさんいたこと&その大人っぽさ。お母さんと兼用でちょっとしたブランドのバッグを持ち、低めながらヒールも履きこなす! かわいいというよりも、きれいな女の子がいっぱいでした。
でもそんな大人っぽい外見とは裏腹に、女の子が直面するお悩みは、いつの時代も変わらないんだなあ…と思わせるマンガに出合いました。
中江みかよ『小学生のヒミツ』(講談社)は、心も体も大きく変わっていく小学生の女の子たちを描いた作品。初潮がきたことをお母さんにも言えなかったり、見栄をはってブラジャーを買ったり、幼なじみに急に恋心を抱いてしまったり…。
「初めてのこと」を前に途方にくれる彼女たちの切実な悩みを見ていると、母親目線というよりも、もう何十年も前の話なのに「わかる!」という共感が一気に押し寄せます。急激に変化する自分にとまどい、苦しみ、でもなんとか答えを見つけて前に進む小学生女子の姿に思わずじーん。
『なかよし』掲載作品なので、まさに変化の真っただ中にいる彼女たちへの性教育的な意味合いも持っている作品。これを読んで心が軽くなったり、安心して「初めて」に備えることができたりするといいなあ、とエールを送りたくなってきます。
一方、小学生男子の性がおバカに描かれるのが、森高夕次×月子『トンネル抜けたら三宅坂』(小学館)。主人公の三宅坂くんは「一般小学5年生の10倍の性欲を持つ男」。クラスのマドンナ、担任の先生、家庭教師、といった美女たちに、好奇心を爆発させます!
「内縁の妻」という言葉に異常に反応するなど大人並みの性知識を持つ部分と、黒ブリーフ一丁で美女たちの面前に現れたりする無鉄砲さや、急に泣く&真っ赤になって固まるなどの小学生らしさが混在していて、思わず笑ってしまいます。
あ、こちらはかなり大人向けのエロスが頻出するので、くれぐれもお子さんの性教育本にはなさいませんよう…大人だけでこっそり楽しんでください!
(文/門倉紫麻)
※女性セブン2013年11月14日号