中国の李鵬・元首相の娘で、中国電力大手、中国電力国際有限公司会長の李小琳氏が10月下旬の第11回中国婦人・女性全国代表大会に出席した際、イタリアの有名ブランド、ロベルト・カヴァリ製の高価なコートを着ていたことが物議を醸し出している。
李氏のコートの写真が報じられたことから、同社の製品カタログから4120ユーロ(約55万6200円)であることが突き止められた。折りから習近平指導部の「倹約令」が盛んに喧伝されていることから、ネット上で批判の声が高まっている。「中国実時報(電子版)」が報じた。
李氏はこれまでも政府機関主催の公的な会議に出席する際のファッションが極めて派手で豪華なものが多く、カメラマンの格好の撮影対象となっていた。毎年3月に開催される中国人民政治協商会議(政協)にミニスカート姿で出席し、顰蹙を買ったこともある。
このため、李氏は最近、習近平国家主席が提唱する節約令に呼応するように、自身が会長を務める中国電力国際が主催した午餐会では、余った料理をタッパーに入れて、持ち帰るなどするようになった。
問題の会議の翌日の10月29日、習近平主席が主宰して開催された中国共産党政治局会議では「党政府機関による倹約・反浪費励行条例」の制定に同意する提案が了承されており、李氏にとって明らかにタイミングが悪いことは否めない。
同紙は李氏着用のコートが本当にロベルト・カバヴァリ製なのかどうか、中国電力国際の広報部に問い合わせたところ、「個人的なことなので分からない」との返答。さらに同紙は李氏の秘書に電話したが、つながらなかったという。
ネット上では「中国の電力最大手の会長で、政協委員。しかも52歳でもあるのに、お嬢さん気分がいつまでも抜けないのは困ったものだ」などという指摘もあった。