何が功を奏するかわからない。往年のアイドル、太川陽介(54)がここにきて注目を集めている。発端は、『ローカル路線バス乗り継ぎ 人情ふれあい旅』(テレビ東京系)。蛭子能収(66)との珍道中が話題を呼び、今年8月31日に放送された回の視聴率はテレビ東京では異例の13.2%。今年放送された3回とも、12%超えと絶好調なのだ。テレビ局関係者はこう話す。
「さすがにスタッフも、開始前は2人の掛け合いがこれほど面白いとは思っていなかったようですよ。狙ってコンビを組ませたわけではないですからね。それよりも、季節特番とはいえレギュラーで、3泊4日できる芸能人をブッキングするのは大変。まず、スケジュール的な問題が優先されたそうです」
番組では、「旅館に泊まりたくない」「休憩をしたい」などとわがままを言い出す蛭子に対し、太川がなだめたり、たしなめたりする場面もある。毎回ゲストとして呼ばれる女性タレントと蛭子が衝突しそうなときも、太川が仲介に入り、事を収める。抜群の調整能力を発揮し、いつしか頼れるお兄さん(おじさん)というイメージもついてきた。
TBSの看板番組である『ぴったんこカン・カン』などにも2人で出演。テレ東の一番組に留まることなく、他局にまで人気は波及している。
太川といえば、1979年から1986年までNHKで放送された『レッツゴーヤング』の司会を務め、歌手としても『Lui-Lui』などのヒット曲がある。その後、俳優としてドラマや舞台で活躍。『象印クイズ ヒントでピント』(テレビ朝日系)の回答者としては「テクニカル問題」を得意とし、司会の土居まさるから「テクニカル王子」と呼ばれた時期もあった。ある放送作家はこう語る。
「1980年代のアイドル全盛時代に『レッツゴーヤング』の司会を経験したことが役に立っているのでは。当時のアイドルを束ねることから考えれば、蛭子さん一人の相手をするのはたやすいことかもしれません」
さらに、業界内では、『太川は何か持っている』という話も出ているという。
「『笑っていいとも』(フジテレビ系)で、タモリさんが番組終了宣言をした翌日のテレフォンショッキングのゲストが太川さんだったんです。視聴率こそ終了宣言日が5.0%、翌日が5.8%とあまり変わりませんでしたが、業界内視聴率は高かった。これで、『持っている』説が出てきたのです。太川さんに注目している関係者は一時期に比べ、激増していますよ。実際に、出演依頼は増えていますからね」(同前)