11月2日に被災地・釜石市応急仮設住宅平田第6仮設団地をご訪問された皇太子ご夫妻。この仮設団地は、9月30日現在、475人が居住しているが、その約3分の1の141人を高齢者が占める。
時間が許す限り、被災した高齢者たちに励ましの言葉をかけられたご夫妻。お帰りの車の近くには、お見送りをしようと50人ほどの仮設団地住民が駆けつけていた。
ご夫妻が声をかけられていた場所は、舗装されていない足場の悪い砂利道だったが、おふたりはまったく気にされることなく、住民たちとの交流の時間を持たれた。そのため、お帰りの時間は予定を過ぎてしまい、この仮設団地ご滞在は20分も延長となってしまった。そんな雅子さまの予定外の行動に混乱したのは、側近や警護の警察だった。
「側にいた宮内庁の職員は、“お時間です”と何度も何度も声をかけていました。それでも雅子さまはお声がけをやめようとはされなくて…。皇太子ご夫妻の行啓ともなれば、そのスケジュールは分刻みですから、それがずれると一大事なんです」(皇室記者)
この雅子さまの異例の行動には、皇室に嫁がれて以来、ずっと胸に抱かれていた、ある思いがおありになったようだ。
「実際の雅子さまはとてもフランクなかたで“国民と直接触れ合い、国民が思い描く皇室像を肌で感じたい”と、常々お考えなんです。ただ日本では、雅子さまが自由に国民に近づいて言葉を交わされることなど、警護上難しく、これまでは我慢してこられました。
それが今回、予定時間を過ぎてでも実践されたということは、被災者のみなさんとひとりでも多く、少しでも長く話され、励ましたいという思いが素直に表れられたんだと思います」(宮内庁関係者)
※女性セブン2013年11月21日号