高齢者の4人に1人が認知症という時代。だが、認知症をきちんと診察できる医師は、日本には実は少ないという話もある。では、家族が認知症では?という状況で、私たちはどうやって信頼できる医師を探せばいいのだろうか?
現在、自宅で認知症の母親を介護しているサラリーマンのAさん(51才)には、今から約15年前、認知症になった父親を精神科病院に入院させて後悔した苦い思い出がある。その病院では認知症に対応しきれず、医師から「認知症は病院で治せる病気ではない」と言われて愕然とした。
結果的に父の認知症も健康状態も悪化させてしまったことから、Aさんは「認知症は介護が大事ですが、やはり最初は医師による診断という医療の入り口が欠かせないもの」と、適切な医療とのかかわりが必須と語る。
では、いざ病院で受診しようと思っても、何科に行けばいいか、即答できるかたはいるだろうか? 実はこれが、ちょっと難しい。認知症を診る科は複数あるが、それぞれで診療内容と特徴が違う。さらにその診療科の中でも医師によって専門が違うため、行ったはいいが「別の日に来るよう言われた」なんてことも起こり得る。
最もわかりやすいのは、日本認知症学会が一定の知識と技術があると認定した専門医のいる施設を探すことだ。専門医は学会ホームページから所属する医療機関を探せる。この他、「もの忘れ外来」「メモリー外来」を標榜している医療機関であれば、認知症を専門にした医師がいるはずだ。
最近では、国が認知症対策として各都道府県と指定都市に整備を進める「認知症疾患医療センター」もあり、検査や診断を行っているので近くにあれば確実に診てもらえるだろう。
※女性セブン2013年11月21日号