とんかつのロースとヒレでどちらがカロリーが高いのかと聞かれれば、大半の人がロースと答えるだろう。だが、実際はそう単純ではない。ジャーナリストの鵜飼克郎氏が検証する。
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ファミレスのメニューや持ち帰り用食品のラベルなど、身の回りの様々なところに「カロリー」が表示されている。
取材班は実際に店頭に並ぶ食品、あるいはテイクアウト可能なメニューを購入し、専門の検査会社でカロリーの数値を検証した。すると、以下の商品で表示を大きく上回るカロリーが計測された。
【有名とんかつチェーンの「テイクアウト用ヒレカツ」】
●表示/365kcal→実測値/504kcal=約38%オーバー
【有名カレーチェーンの「ハンバーグカレー」】
●表示/929kcal→実測値/1114kcal=約20%オーバー
【大手ファミレスの「ミックスプレート(ハンバーグ、エビフライなど)」】
●表示/823kcal→実測値/909kcal=約10%オーバー
揚げ物のカロリー計算が難しいことは、ヒレカツが表示カロリーを38%超過していたとんかつチェーンの「テイクアウト用ロースカツ」が601kcal表示のところ、実測値で526kcalと、逆に表示より低かったことからもうかがえる。
脂身の多いロースカツと赤身のヒレカツのカロリー比較は興味深い。生肉に関して言えば、「日本食品標準成分表」ではヒレが100gあたり115kcalで、ロースが263kcalとされていて、ロースが約2.3倍のカロリーとなる。
ただし揚げ物になると今回の検証結果が「ヒレカツ/504kcal(168g)」「ロースカツ/526kcal(152g)」だった通り、グラムあたりのカロリーには15%ほどの差しかない。脂身の多いロースは揚げても油を吸わないが、赤身のヒレは油を吸ってしまうことからこうした現象が起こると考えられる。
※SAPIO2013年12月号