11月上旬、宮城、福島、そして岩手と被災地3県を回られ、被災者を励まされた皇太子ご夫妻。岩手県を慰問した際は、予定滞在時間を20分も延長されるという一幕もあった。
「国民と直接触れ合う機会を持ち、国民が抱いている皇室像を肌で感じたい」──という雅子さまが皇室に嫁がれて以来、ずっと胸に抱かれてきた「理想」実現へ踏み出された第一歩だった。
しかし、そんな雅子さまの思いとは裏腹に、ご夫妻が訪問された釜石市応急仮設住宅平田第6仮設団地では、行政から“あるもの”が関係者に配られていた。
「それは皇太子ご夫妻と対面したときの対応方法が記された文書でした。挨拶のセリフなども書かれていて、まるでお芝居の“台本”みたいでしたね…」(仮設団地関係者)
その一部をご紹介しよう。
●皇太子ご夫妻が仮設団地へ到着されたとき。
<◇御先導者(平田第6仮設団地自治会長)
・(お召車のドアが閉まったら、一歩お召車に寄って一礼し、)「ようこそいらっしゃいました。釜石市応急仮設住宅 平田第6仮設団地 自治会長の○○○です。」(自己紹介)
・(御先導者はお出迎え者の前に御先導し、お出迎え者が自己紹介している間、両殿下の後ろを通り先に行く)>
●皇太子ご夫妻が団地内のサポートセンターをご視察の際。
<◇御先導者(平田第6仮設団地自治会長)
・(生活相談センター前で御靴御履替場所を手で示しながら)「こちらで御靴の御履き替えをお願いします。」(両殿下が御入室の際、一礼し、センターの外へ出る。)>
●皇太子ご夫妻が団地を出発する際。
<◇御先導者
・(住民が見えたら、手でお示ししながら)「こちらの皆さんはこの団地の入居の方々です。」
(中略)
◇お見送り者(平田パーク商店街会長)
・(一礼し、)「誠にありがとうございました。」>
このように皇太子ご夫妻への自己紹介や挨拶の仕方から、どのタイミングで、どう動くか、さらには細かなジェスチャーの仕方まで、最初から最後まで、きちんと段取りが書かれているのだ。
「正直、子供でもできそうな簡単な挨拶まで細かく書かれていてびっくりしました。台本通り進めないと行政から怒られそうな雰囲気でしたね。せっかく皇太子ご夫妻と触れ合える時間があっても、台本を無視するわけにはいかないから、台本のことばかりが気になってしまいました」(別の団地関係者)
※女性セブン2013年11月28日号