11月上旬に欧州歴訪を行なった韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は行く先々で反日を猛烈にアピール。「日本の政治家は歴史問題で不適切な言動を繰り返している」「日本の政治家はドイツをモデルに歴史認識と態度を変えるべきだ」などと“告げ口外交”を行なった。
朴大統領の「反日憎悪外交」は、同盟国であるアメリカに対しても、事ある毎に行なわれてきた。
今年5月、初訪米でのオバマ大統領との会談では「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と“直訴”。9月末に訪韓したヘーゲル国防長官との会談でも、歴史問題や領土問題で日本を批判したのである。
魂胆はミエミエである。朴氏は強大な同盟国であるアメリカを味方につけ、日本を叱ってもらえば、日本がキャンと鳴くと踏んだのだろう。
残念ながら、その思惑は裏目に出た。10月3日、日米両政府が東京で開いた安全保障協議委員会にヘーゲル国防長官が出席。その場で、「集団的自衛権の行使を巡る憲法解釈の修正」を支持すると表明した。朴氏が必死になって憲法解釈の修正を批判してきたにもかかわらず、アメリカはそれをあっさりと袖にした形だ。
「ヘーゲル氏は訪韓時、朴大統領に持論の日本批判を並べ立てられて苛立っていた。他に重要な外交課題を持って行ったにもかかわらず、関係ない話ばかりされたからだ。今回、日本の憲法修正支持を表明したのは、朴大統領への当てつけだと見られている」(外務省筋)
※週刊ポスト2013年11月29日号