韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が世界中で根も葉もない反日中傷話をばらまいていることに対し、官邸内からは「経済制裁を発動して、目に物いわせてやるべきではないか」との声も上がっている。
経済制裁はかなりオーバーなリアクションではあるが、官邸内外に少しずつそうした対韓強硬論が聞こえ始めた。例えば、金融制裁という手段も韓国経済を瞬時に破綻させる。
そもそも、金融市場の規模が大きくない韓国では、主要企業にファイナンスしている金融機関のなかで、日本のメガバンクが大きなウェイトを占めている。韓国政府系銀行である韓国輸出入銀行でさえ、今年8月、経営危機に陥った時、日本のみずほ銀行が5億ドル、三菱東京UFJ銀行が2億5000万ドルなどを緊急融資したということがあった。
それらメガバンクが日本政府の意を汲んで融資を引き揚げれば、韓国企業はひとたまりもない。さらに、韓国経済に詳しい経済評論家の三橋貴明氏はこう指摘する。
「日本の円安が進めば日本の輸出産業の価格競争力が増し、韓国の製造業に大ダメージを与えますが、企業が倒産するわけではない。
たとえば、サムスンは54%の株式を外国人が所有する事実上の外資系企業です。なので、韓国国内で製造する競争力が落ちれば、平気で生産拠点を海外に移します。そうすると、韓国では産業の空洞化がますます進み、雇用が失われて失業率が急上昇し、貧困化、犯罪の多発など、社会不安も増大します」
※週刊ポスト2013年11月29日号