NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で、ヒロイン・め以子(杏)を強烈にいびる小姑・和枝役で注目度が高まっているのが、キムラ緑子(52才)だ。
兵庫県淡路島に生まれたキムラ。中学校時代はテニス部、高校時代は剣道部に入部するなど体育会系だったが、京都の大学に進み、2年生の時に演劇の世界に出合う。しかし、卒業後は再び淡路島へ。当時のことをキムラの母・芳子さんはこう振り返る。
「卒業間際やったかな。急に“オーディションを受けて受かったんや。行かしてくれ”と言われてね。大学さえ卒業したら、ぼつぼつと結婚準備でもしたらええと思ってたから、ほんまに寝耳に水だってね。それで主人とふたりで京都まで飛んで行って、一晩中あの子を説得したんです。“新車買ってやるから”言うて、結局、200万円もするグレーのスポーツカーを買ってやったわ(笑い)」
卒業後は家庭教師で英語を教えていたというキムラだが、芝居の道をあきらめきれていなかった。現在のキムラの夫で劇作家のマキノノゾミ(54才)が立ち上げた劇団『M.O.P.』に入るため、同じ年に家を飛び出してしまっていたのだ。
「マキノさんとは、彼女が大学時代に演劇サークルで知り合ったんですが、当時のマキノさんはスラッとした長身で髪も長く、彼女は一目惚れしてしまったんです。一度は実家に帰ったけれど、忘れられなかったんですね。でも、家族から勘当されてしまいましたから、しばらくは泊まるところさえなかったそうです。カレー店でアルバイトをしたりして生計を立て、なんとかお芝居の道を貫いていました」(キムラの知人)
そして1992年ごろ、ふたりは結婚を決める。看板女優のキムラは注目を浴び、1998年には野田秀樹演出の舞台『ローリング・ストーン』にも抜擢。2005年には第12回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した。
夫のマキノも、1998年に第5回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞し、2002年にはNHK連続テレビ小説『まんてん』の脚本を担当するなど、劇作家としての地位を確かなものにしていた。だが2005年頃、ふたりは離婚してしまう。
「“旦那さんが演出家なんだから良い仕事が来るのよ”って陰口叩かれたことにキムラさんは腹を立てて、離婚したんです。“実力の世界でやってやる!”って。マキノさんも彼女の気持ちをくんで、“毎日必ず連絡を取り合うという約束を守るんやったら”と離婚を認めたんです」(前出・キムラの知人)
離婚後もふたりは、互いのブログに登場し合い、飼い猫もふたりの自宅を行き来する生活が続いた。
「離婚は親戚から聞くまで知らんかった。全然言うてけーへんもん。自分さえしゃんとしとったら親には心配なんかさせへんと思ってたんと違う? そういう気持ちで離婚したんやろ。そのへんがあの子の肝っ玉の大きいところやねん。それで何年かしてからあちらこちらからも声がかかるようになって。またもういっぺん(マキノさんと)一緒になったんです」(前出・芳子さん)
マキノと復縁再婚したのは2010年頃、劇団が解散する時だったという。
※女性セブン2013年12月5日号