西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、犬の歯磨方法について解説する。
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指南其の壱、いきなり歯ブラシを用いるは、失敗の要因なり。嫌がる犬、大暴れ。おもちゃと勘違いする犬なれば、大興奮必至。
歯みがきなるものは歯ブラシを用いたるが良きことは道理。されど、歯の側面に付着したる歯垢を指にてごしごしとこすり落とせしだけでも、効果は大なり。
であるなれば、まずは歯を指にてごしごしとできる、それを目標に始めるべし。これこそ指南其の弐なり。手順は以下のごとし。
【1】人差し指に犬用のチーズなどを薄く塗りのばす
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【2】其の指を犬の鼻先に持っていく
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【3】指をぺろぺろなめている間に唇をめくる
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【4】犬歯を指でこする
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【5】さらに奥歯の側面をこする。
さてなる指南其の参は、歯みがき剤選び。チキン風味、レバー風味など、犬がペロペロ喜びなめしものを用意。後はいたって安易。先般用いたるチーズなどを歯みがき剤に変えたるのみ。ガーゼ巻きせし指、あるいは綿の薄手の手袋、中大型犬なれば軍手などをはめたる指にて、ゴシゴシできれば、なおのことめでたし。
最後に控えし指南其の四。歯みがきの頻度にて候。犬の歯みがきなるは、虫歯予防にあらず。然れば毎食後の必要は無し。目的とせしは歯周病予防、歯垢の歯石化を防ぐことなり。諸説あれど歯垢なるが歯石化するに要する時は、3~5日とも、24時間とも。ならば、1日1回、それで十分。週に数回でも、効果ありと言えり。
は~疲れ申した。指南って言葉に調子づいて、でったらめな時代がかった口調で、通しちゃった。
ま、語り口はでたらめでも、内容はでたらめじゃありませんからね。とにかく指による歯みがきでも、やってるのとやってないのでは雲泥の差! んなことで、今回はコレにてご免!
※週刊ポスト2013年11月29日号