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高須院長 食品偽装に「おいしく食べたなら文句を言うな」

食品偽装問題を独自の視点で語った高須院長

 世の中のさまざまな出来事を、高須クリニック・高須克弥院長が自由闊達に斬りまくるシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、世間を騒がせている食品偽装問題について率直な意見をぶつける!

 * * *
──この秋、世間を大いに騒がせている問題といえば、有名ホテルや百貨店の食品偽装だと思います。高須院長は、どういう印象を持たれていますか?

高須:どうしてあんなことに目くじらを立てるかねえ。医者の立場からすると、おいしくて、健康に害がなければ、何も問題はない。ブラックタイガーだろうが車えびだろうが、お客さんはおいしく食べて、納得してお金を払っているわけだしね。

──つまり、高須院長としては食品偽装も問題なしってことですか?

高須:そうだよ。だって、もし本物の車えびを使っていても、ブラックタイガーで作った料理のほうがおいしかったら、そっちのほうが勝ちでしょ? 「全然おいしくない!」っていうクレームがきてるんならダメだけど、味に文句を言っているわけじゃないからね。

──食材そのものの偽装ともうひとつ、産地の偽装という問題もあります。中国産なのに国産と偽ったりとか。

高須:中国産だと有害な物質が入っているかもしれないから…っていう背景があるとしたら、それは問題あり。健康を害する可能性があるものを、安全だと言って出すのはいただけないね。ただ、品質に問題がなくて、「中国産より国産のほうが高級そう」みたいなイメージだけで偽装しているんなら、まあいいんじゃない? 結局、お客はそれも気づかないし。

──別に産地は気にしない、と。

高須:そう。おいしければいいんだよ。産地が違ったからって文句なんか言わない。たとえばさあ、銀座のクラブの女だと思って貢いでいたら、実は池袋のクラブの女だったから、貢いだ分を返してもらった…なんて恥ずかしいもん(笑い)。

──確かに、それは男としてみっともないです。

高須:銀座と池袋は別として、食材については、結局お客さんのほうがその違いを見抜けなかったってことでしょ。裏を返せば、偽装がわからないくらいにおいしい料理を作ったシェフの腕が素晴らしいってことだよ。「偽装しやがってけしからん!」ってホテルに返金を求めるんじゃなくて、「そんなにおいしい料理をありがとう!」ってシェフにチップを払いに行くべきだよね(笑い)。

──なるほど、まったく逆の発想ですね。

高須:あと気になるのが、いろんなホテルや店が偽装していたことを自白したでしょ。あれも、なんだか変だなぁ。その自白したところを見ると一流どころばっかりなんだよ。逆に「偽装をしていることが一流の証」みたいに感じちゃう。

 そういえば、「コメダ珈琲」も偽装を告白したよね。ぼくもよく行くんだけど、あそこには誰も高級さを求めてない。偽装しようが何しようが誰も気にしてない(笑い)。ブームに乗っちゃったんじゃない? でもみんな「コメダはいーよ」って思ってるはず。

──いやいや、まさか、そんなことはないと思いますよ。

高須:そう? まあでも、今回の食品偽装の騒動は、日本人がブランドに頼りすぎている現実が露呈されちゃったってことだと思うね。ブランドなんかに左右されないで、「おいしいかどうか」あるいは「満足したかどうか」で、ちゃんと自分で判断する力をつけないと。偽装されてたっていいじゃん、満足できれば。ちなみに、美容整形も同じだと思うよ。重要なのはおいしいかどうか。整形手術をしたからといって、騙しているわけではないからね。むしろ、美しくなれば周りのみんなも喜ぶんだから。

 * * *
 日本中を騒がせた食品偽装を「まったく問題なし」と言い切った高須院長。実際問題として、今回の騒動は「社内調査」によって判明したものであり、消費者からの告発ではない。つまり、消費者は誰ひとりとして不満に思っていなかったということであり、高須院長の言うようにわざわざ目くじらを立てるようなものではないのかもしれない。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)など。近著は『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)。

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