大王製紙の井川意高・前会長(49才)が自叙伝『熔ける』(双葉社刊)を11月13日に上梓した。
2010年から2011年にかけて、カジノで作った借金を返済するため、子会社から106億円を不正に借り入れた井川前会長。特別背任の容疑で逮捕され、懲役4年の実刑判決を受けた彼は現在、栃木県の喜連川社会復帰促進センターに服役している。そんな彼が獄中で書いた同書は、東大を出て大王製紙に入社し、その後マカオのカジノにのめり込んで破滅する経緯が克明に記されている。
なかでも注目なのが50人以上にわたる有名人との交遊録だ。20代後半から常連だった西麻布界隈のバーで、連日のように芸能人と出会った日々を、こんなふうに綴っている。
<宮沢りえさん(40才)とは、西麻布のバーで彼女が親しくしていた大物歌舞伎役者と一緒にいる場面に偶然出くわしたことがある。(中略)「『ぼくらの七日間戦争』の頃からファンなんですよ」と挨拶すると、宮沢さんは私のことをキッと睨み、「そんな昔のことなんか忘れてるわ」。そうキツい一言を発するではないか>
<あびる優さんのことはデビュー前から知っている。彼女のお母さんが「今日は娘の誕生日なの」といって、夜の店に娘を連れてきた>
<海老蔵さんは、いきなり私の前にドーンと座った。(中略)据わった目で私を睨みつけながらこう言うではないか。「俺はね、あんたがどんな立派な会社の社長だろうが全然興味がないんだ」>
こんな調子で、その後も高岡早紀(40才)や田丸麻紀(35才)、東尾修(63才)、GACKT(40才)など、そうそうたる有名人との出会いが次々に語られていくのだ。
「井川さんは、毎晩のように西麻布に繰り出して、タレントに“タクシー代”と言って10万円をポンッと渡したり“一気飲みしたら5万円あげる”なんて言ってシャンパンを飲ませたり、どんちゃん騒ぎに明け暮れていました」(井川前会長の知人)
そんな彼が、頻繁に会っていたと吹聴していたのが、ほしのあき(36才)だった。
<彼女がグラドルとして有名になる前の22才くらいの頃から時々、食事をしてきた。ほしのさんはとても律儀かつ義理堅い女性で、「××さんと一緒に飲んでるんだけど時間あるようだったら来ない?」と電話をかけると、たとえ忙しかろうとも、20分でも30分でも顔を出してくれる>
そうやってほしのとの特別な関係をアピールする井川前会長は、彼女に頼まれて、一箱200円という自社の高級ローションティッシュを段ボール1箱分プレゼントしたエピソードも明かしている。
それにしても、彼はこの“懺悔本”の中で、「事件と関係もない人たちの名前が、記録として残されてしまうのは不本意だ」と、あえて取り調べの可視化を拒否した経緯を告白しているのに、なぜ事件と無関係のタレントの実名とその“別顔”を暴露するのか。
「仲よくしてきたタレントからは、事件後、手のひらを返したように一切の連絡がなくなったんです。結局、お金だけの関係だった…。そのことに気づいた井川さんの、ちょっとした復讐でもあるんですよ。この本は…」(前出・井川前会長の知人)
※女性セブン2013年12月5日号