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MLB・NPBポスティング制度撤回 低予算球団の抵抗根強かった

 前人未到の連勝記録達成と球団創設9年目の日本一を置き土産に、満を持してメジャーリーグを目指す楽天・田中将大(25)だが、その前途は多難だ。

 楽天の田中将大が憧れのメジャーへとたどりつくには、数多くの障壁が待ち受けている。まずは「制度」の問題だ。

 高騰し続ける入札金の問題を解決するために、見直しを求められていたポスティング制度。最高落札額と2位の金額の中間額の入札金を支払うという規定などが盛り込まれ、一度は日米間で合意に至った新制度だったが、MLB側から取り下げられ、白紙撤回されてしまった。

 原因はMLBのオーナー会議で、パイレーツなどの低予算球団が不満をぶちまけたこと。「このままでは結局、予算のない球団は田中の獲得競争に加われないじゃないか」といった批判が出たためだった。

 在米スポーツジャーナリストが語る。

「低予算球団の抵抗は根強く、“金満球団しか恩恵を得られないポスティング制度は、もうなくしてしまった方がいい。海外FA権(9年)を取得した日本人選手だけが対象でいいじゃないか”という意見も出ている。ただ、何とか制度自体は存続する可能性が高く、田中の移籍は2015年に海外FA権を取得するまでお預けという、最悪の事態は避けられそうです。

 新制度に盛り込む解決策としては、『入札金の分割払い案』や、入札金を『ぜいたく税』(※注)の対象として計算する案が提案されています。最終的には何らかの形で、入札額を強制的に下げる方策がとられると見られています」

【※注】チームの所属選手の総年俸が一定額を超えると、課せられる課徴金のこと。

※週刊ポスト2013年12月6日号

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