ご結婚翌年の1960年、天皇皇后両陛下(当時は皇太子・同妃)は初めてインドの地を踏まれた。それから半世紀。両陛下は11月30日から12月6日まで、再びインドを訪問される。
「今回のご訪問では、当時、両陛下が定礎式に出席されたインド国際センターやガンジーが火葬されたラージガードなどを再訪される予定です」(皇室記者)
インドと日本は昨年、国交樹立60周年を迎え、これを記念してインド政府から両陛下が招待されたのだが、当初は“お断りされるのでは”と思われていた。
「昨年5月、両陛下はエリザベス女王の即位60周年祝賀行事出席のため、英国を訪問されました。このとき、陛下は心臓のバイパス手術を受けられてから、わずか3か月だったため、当初は長旅が不安視され、一時は、“皇太子さまがご名代で”という案も出たほどでした。しかし、両陛下は“どうしても自分たちが行きたい”という強い意向を示されたため、ご負担を少なくするかたちで訪英が実現したのです」(宮内庁関係者)
それは、両陛下とエリザベス女王が築き上げられた長きにわたる友情の証だった。
「ご病気の体を押しての訪問だっただけに、“英国訪問が両陛下の皇室外交の集大成だ”と側近たちは思っていたようです。しかし、両陛下は今回、再び海外へと旅立たれる決意をされたため、周囲には複雑な思いが生じていたそうです」(前出・宮内庁関係者)
心配されるのはやはり両陛下のご体調だ。12月23日に80才を迎えられる陛下は、今も前立腺がんの治療を続けられ、前述したように昨年2月には心臓の手術も受けられている。美智子さまも持病の頸椎症性神経根症の影響で歩行時に障害が出るなど、今年は公務をお取りやめになることもあって、長時間の移動が伴う海外訪問はお体への負担が大きい。
しかし、陛下は昨年末の誕生日の会見で、今後の公務についての質問に対し、こう述べられていた。
「今のところ、しばらくはこのままでいきたいと考えています。私が病気になったときには、昨年のように皇太子と秋篠宮が代わりを務めてくれますから、その点は何も心配はなく、心強く思っています」
陛下はお体の限界まで公務を続けるという強い意志を示されたのだ。
「この陛下のご発言は集まった記者たちを大変驚かせました。これからはゆるやかに公務を軽減していかれるのだろうと思われていたなかでのご発言でしたから、記者たちからは“陛下の生涯現役宣言だ”という声もあがりました。
陛下は、ご自身の背中で“天皇とは”“象徴とは”ということを皇太子さまに伝えようとされているのだと強く感じましたね」(前出・皇室記者)
※女性セブン2013年12月12日号