もはやペットが家族なのは当然の時代。2011年のペット関連市場は1兆4033億円(矢野経済研究所調べ)。2003年以降は15才未満の子供の数より、ペットとしての犬猫の数が多い状態が続いている。
家族同然のペットと最期まで一緒に過ごしたいと思っていても、ペットが深刻な病気になり、自宅介護ができない場合もある。 今やそんな高齢ペットのための『老犬ホーム』も登場している。
利用者に増えているのが、介護が必要となったペットに充分なケアをするために、専門知識や24時間ケア体制が必要となり預ける人、飼い主が亡くなったり、引っ越しなどでペットと一緒に暮らせなくなり預ける人、中でも特に増えているのが飼い主もペットも高齢となり、老老介護になってしまうケースだ。
『老犬介護ドットコム』の管理者・河村充さんによると、
「犬も年をとると認知症になり、夜鳴きをしたりして、近隣トラブルとなり、自宅で世話ができなくなってしまうことも多いんです。相応の費用はかかりますが、プロの適切な介護が受けられることから、安心して預けるかたも多い」。
河村さんの紹介する『老犬ホーム トップ』(熊本県菊池市)は、1頭につき費用は1年36万円(先払い、医療費別途3万円)。同じグループの東京・築地にある老犬ホームは、150万円。どうしても立地条件などで費用に差が出てしまうが、自然環境や面会のしやすさなどで選ぶ場合が多い。
犬だけを受け入れるのではなく、老猫を預かるホームや、動物病院の系列などもあり、今後ますます増えていきそうだ。
「毎週のように、面会に訪れる家族もいらっしゃいます。人間の老人ホームも、犬の世界の老犬ホームも、最期まで介護して、お世話させていただくことは同じ。離れていても、穏やかな余生が暮らせるように心掛けています」(河村さん)
※女性セブン2013年12月12日号