サンフランシスコやテネシー州など、アメリカをはじめとする海外のアートイベントでも作品やパフォーマンスが称賛され、国内外で活躍する日本人ライブペインティングユニット――Gravityfree。日本語で「無重力」を意味するユニット名を持つ、djow(デジョー)と8g(エイジ)の2人は、音楽やアートフェスティバル会場に行き、ライブで絵を描く。
「“楽しむことが一番大事”ということを、多くの人たちに伝えていきたい。そう思ってフェスやイベントでライブペインティングをやっていたら、 いつのまにかこのコンセプトに行き着いた」と語る彼らのアート。これまでは“知る人ぞ、知る”というアーティストだったが、最近では『キリン カリブーン』のパッケージを飾るなど、多くの人の目に触れる機会も増えている。
そんなGravityfreeの最新作のひとつは、8日間という長丁場のライブペインティングで描かれた。ウッディな家具に壁面を彩る印象的なタッチのイラスト――この写真を見て、「落ち着いた雰囲気のカフェかバーだろう」と思う人が多いのではないだろうか。しかし実はここ、ネイティブ・アメリカンがパッケージのモチーフになっているタバコ「ナチュラル アメリカン スピリット」(通称:アメスピ)の輸入・販売を行う、サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンの会社の会議室。
屋外イベントでのペインティングが多いGravityfreeが、一企業の会議室に作品を描いた理由や様子などをdjowさんが語ってくれた。
「実は2人とも今回のお話をもらう前から、『ナチュラル アメリカン スピリット』を吸っていたのもあるんだけど、サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンが企業として『地球が人類に属しているのではなく、人類が地球に属している』という考えの元、『SHARE THE LOVE』活動などを通じて地球・大地を後世に受け継ぐ大切さを啓発していたり……僕たちの活動や日々思ったり、感じたりしていることに近いんですね。自然や農業に対しての想いが今高まっていて、そういう点でも間伐材や廃材を活用したアップサイクル型のオフィスを作っちゃう――そういう姿勢に共感して依頼を受けました」
この会議室のウッドデッキやパレットでできたテーブルは、全て間伐材や廃材で作られている。それはサンタフェ ナチュラルタバコという企業が、添加物を一切使わないタバコ(アメスピ)を生産・販売するだけでなく、稼働電力を風力発電の会社から買う、廃棄物ゼロの工場を実現するなど、地球環境への配慮に強いこだわりを持つ企業だからだ。
「Gravityfreeとは、当社が協賛したり、企画するキャンプイベントやワークショップでご一緒する機会があって、ずっと“彼らの絵はパワフルで、エネルギーがあるなぁ”と感じていたんです」と話すのは、今回の作品の依頼主であるサンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンの東智徳社長。