韓国経済が苦境に陥っている。サムスンはスマートフォン市場でシェアを落としたばかりか、アップルとの知的財産権をめぐる訴訟では、敗訴し、約940億円の賠償を認定された。一方自動車産業でも、韓国最大の自動車メーカー・現代自動車は韓国国内で8割を超える圧倒的シェアを持っていたが、2013年9月にはシェアが68.9%にまで低下。リコール問題も相次ぎ、2013年の通期決算では減益に落ち込むという。
また、ピンチなのは製造業だけではない。一時はアジアを中心に盛り上がった「韓流」ブームもすっかり陰りを見せている。かつて賑わいを見せていた東京の新大久保でも、韓流ショップが相次いで閉店の憂き目にあっている。新大久保に住む在日韓国人の女性が語る。
「ここ2年くらいで韓流好きのおばさんたちも一気に減って、随分と静かになってしまいました。韓国人が経営している店も徐々に減って、今ではピーク時の3分の1くらいになってしまいました。昔はひとつのお店だった場所に、複数の店舗が入るようになったりと、厳しい話ばかりですね」
韓国への日本人旅行者も激減し、韓国法務部の統計によると、今年1~9月に韓国を訪れた日本人観光客は約204万人と、昨年同期の4分の3に。韓国の一流ホテルの従業員も顔色が冴えない。
「日本人客が来なくなって、本当に困ってます。中国人客は増えたけど、みんな安いホテルにしか泊まらない。中国人客は買い物でも値切るし、マナーも悪い。日本人を悪くいう人は多いけれど、私たちは本当に日本人客に戻ってきてほしいです」
こうした事態を受けて、韓国政府は日本人客誘致のための宣伝費として、旅行業者に計10億ウォン(約9200万円)の緊急支援を行なうことを決定したが、日本人の気持ちをとり戻すのは難しいだろう。
※週刊ポスト2013年12月13日号