ダイエットを意識して「ゼロカロリー」や「低カロリー」などの表示のある食品を手にする人は少なくないだろう。だが、ちょっと待って欲しい。そこには落とし穴があるというのだ。ジャーナリストの鵜飼克郎氏が報告する。
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お役所が健康増進法に基づく栄養表示基準で「低カロリー」とお墨付きを与えた食品を口にしていれば痩せられるかというと、必ずしもそうではない。低カロリー食品に使われる人工甘味料が、ダイエットに逆効果だと指摘するのは吉備国際大学地域創成農学部の金沢和樹教授だ。
「糖質を摂取する際、味覚で甘味を感じると、脳はインスリンを分泌して体内のブドウ糖を代謝させます。胃に達した食物から糖質が吸収された際に血糖値が上がりすぎないように調整するのです。
人工甘味料を使った低カロリー食品や飲料の場合、味覚では甘味を感じるから脳がインスリンを分泌して血糖値を下げる。しかし、食べたものが胃に達しても吸収する糖質がない。血糖値が押し下げられた状態が続いてしまい、次の食事でいつもより多く食べないと満足できなくなってしまいます」
ダイエットになると信じて摂取しても、逆に太ってしまう場合があるのだ。
※SAPIO2013年12月号