2013年は学校での「いじめ」に関する事件が数多く報じられたが、この「いじめ」という言葉自体が問題だと指摘するのは、ビートたけし氏だ。いじめ対策として、まずすべきこととは何か。新刊『ヒンシュクの達人』(小学館新書)を上梓したばかりのたけし氏は、こう提言する。
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運動部のシゴキに限らず、「いじめ」って言葉を聞かない日はないけど、この言葉の響きが本質を見誤らせてるんだよな。弱い同級生を殴ったとか、恐喝してカネを奪って、ついには自殺に追い込んじまったなんて、これはもう「いじめ」じゃなくて「犯罪」だろうよ。「暴行罪」「脅迫罪」「恐喝罪」と、ホントの罪状で呼んでやらないと。
これは「犯罪だ」ってことをガキの足りない頭でもわかるようにしてやんないと、また同じことが起こっちまうぜ。
だいたい、なんでニッポンって国は、こんなに物事をオブラートに包んでしまうんだろ。痴漢のニュースだって、「スカートの中に手を入れた」「下腹部にいたずらした」なんて言うけど、要は「性器をなで回した」ってことなんでね。
婉曲表現で実態をうやむやにしようって狙いがバレバレだよ。とにかく、くさいモノには全部フタをしちまう。それが「いじめ」ってものを陰湿にしちまってる理由だと思うんだよね。
※ビートたけし/著『ヒンシュクの達人』(小学館新書)より