プロ野球の背番号といえば、選手そのものともいえるほど大切なもの。「34」であれば金田正一氏であり、「1」であれば王貞治氏。長嶋茂雄氏が2回目の巨人監督に就任した時は1回目の「90」から現役時代の「3」になり、ユニフォームを披露した時の映像は大きく取り上げられた。だが、阪神タイガースの背番号「8」は、移籍組ベテランを葬る“レクイエム”ナンバーとして知られるなど、縁起が悪い。
「8」は他球団から来たベテランが移籍後に付ける番号として馴染みがある。しかし皆、不思議と活躍できず、すぐに引退してしまうために、一部では「レクイエム」(鎮魂歌)ナンバーといわれる。
代表的なのは田尾安志、本西厚博、片岡篤史ら。期待通りの働きができたとは言い難い。今季からはメジャーから復帰した福留孝介が背負っているが、ケガで長期戦線離脱したことを思うと、呪いはまだ続いている。
阪神では、背番号「31」にも因縁がある。いわずと知れた、“ミスタータイガース”掛布雅之の背番号。栄光を継いでほしいと、過去には萩原誠、広澤克実、濱中治、林威助と4人に受け継がれた。
しかし彼らはいずれも期待ほどの結果を残せなかった。野球カード制作兼ライターで、背番号に詳しいしゅりんぷ池田氏が語る。
「ファンの間では、“掛布の呪い”として知られています。球団も匙を投げたのか空き番号になっています」
来季からは掛布氏がGM付育成&打撃コーディネーターとして復帰。自ら呪いを解くしかない?
※週刊ポスト2013年12月13日号