アメリカの子供の3人に1人は、実父のもとで育たないというデータがある。離婚率が高いことも理由の一つだが、結婚せずにシングルマザーのまま子育てをする女性が多いことも背景にある。しかも、妊娠中の女性、5人に1人は「お腹の子の本当の父親がわからない」という驚愕のデータまで……。
たとえ子供が実父と一緒に暮らさないとしても、父親が誰か判明していれば子供の精神上好ましいという心理学の統計もあり、何より養育費を獲得するためには、「実父の証拠の入手」が不可欠。実父判定キットとして非常に人気があるのが「アイデンティジーンDNAテスト」。
しかし、これは出生後の子供でしか検査できない。そこでDNAテストに長年の実績を持つネイタス社が、2013年の夏から、妊婦の血液を使った実父判定テストキットをオンラインでサービス開始した。
妊娠6週目から結果がわかるという。必要なのは、妊婦の血液と父親と思われる男性の口の内側の粘膜サンプルだけ。また、養育費とは関係ないが、超音波検査の結果が待てない母親のために売られているのが出生前に性別を判定するキット。
薬局で気軽に買える「インテリジェンダー」(妊娠10週目から)もオンライン注文の「ジェンダーメーカー」(妊娠6週目から)も、ともに妊婦の朝一番の尿で検査するタイプ。アメリカでは日本のような「生まれるまでのお楽しみ」という考え方がまったく通用しないのだ。
※週刊ポスト2013年12月13日号