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Eテレ『日曜美術館』キャスター井浦新がお気に入りの美術館

 1976年に放送開始し、38年目を迎える『日曜美術館』(NHK-Eテレ)。このご長寿番組のキャスターを4月から務めているのが俳優の井浦新(いうらあらた・39才)だ。

 番組の収録は基本的に週1度。多忙な井浦のスケジュールに合わせて組まれ、時には1日に2週分収録されることもあるという。本誌取材の日の収録では、画家のウィリアム・ターナーについて、日本文化研究者の松岡正剛さんと語りあった。ターナーに関するVTRを見ながら、メモを取る姿が印象的だった。

「あ、ぼく意外とメモ魔なんです。気になったこととかメモしないと気が済まない。それが後でヒントになったりするから」(井浦・以下「」内同)

 個人的には、日本の文化工芸などに惹かれるようだ。

「日本の美術も好きだけれど、それまで知らなかった作家を知るのも楽しい。それに、ぼくは浮世絵が好きなんですが、日本で浮世絵が出てきたのと同じ時期に、イギリスではウィリアム・ターナーという作家が活躍していたんです。

 葛飾北斎や歌川広重など浮世絵師の作品とターナーを見比べてみると、同じ時代を生きているのに、こうも価値観が違うのか、または違う国なのに不思議な共通点を発見したりして、おもしろい。縄文土器を勉強していたときも、インドの仏教美術やシルクロードの造形美と比べたりして、当時の人たちの価値観を感じるのも楽しかった」

 芸術というと、どうしても身構えてしまう。しかし、その堅苦しい感じを払拭するのが目下の願いだ。

「確かに美術館、博物館はアカデミックな場所ですが、展示で遊び心を出しているところもある。香川県高松市にあるイサム・ノグチ庭園美術館は、庭園に石のモニュメントがちりばめられ、自分が作品の中に溶け込むような感覚が味わえる。

 アートスペースは気をはらずに行ける場所。行くたびに新しい驚きがあり、自分が細胞から“喜んでいるな”という感じなんです」

 時間を見つけては美術館に足を運び、気にいった場所には何度も通う。

「地方に行った時も時間の許す限り、美術展には行きますね。地方のほうがその土地で生まれたものが多く展示されているので興味深いんです。

 好きな場所はたくさんあって、どれもオススメなんですが、よく行くのは、京都にある河井寛次郎記念館。民藝運動を牽引した陶芸家で、彼の大胆な作品見たさに10回以上は通っています。東京だと浮世絵を多く所蔵している太田記念美術館や根津美術館。千葉市美術館は作品の展示方法のセンスがいいし、そこにいるだけで刺激を受けます」

※女性セブン2013年12月19日号

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