外交問題はどこから火の手があがるかわからないものである。中国の情勢に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏がレポートする。
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中国が設定した防空識別圏をめぐって蜜月時代に終止符を打ったようにも見える中国と韓国だが、その火種は別の問題をめぐって中国国内でも広がっているという。
北京の夕刊紙記者が語る。
「きっかけは美容整形です。韓国はいま中国の比較的豊かな女性をターゲットにエステや美容整形といった分野で大々的に展開をしているのですが、これかトラブル続きなのに加えて、とうとう違法な手術までしていることが発覚して社会問題化しているからです。
中国ではなぜか整形手術なら韓国の技術が優れていると信じる女性が多いのです。その美容の〝韓流〟とでもいうべき効果を狙い、荒っぽい商売をするケースが目立っているようなのです」
ネット上に見られる広告には、「韓国医師会のブランド」とか「魔術師」といった宣伝文句が躍っているという。そうした言葉に騙される女性は後を絶たず、トラブルに発展するケースも少なくないのだ。
「たいていはホテルや短期間借りているマンションの一室で手術を行うのです。不衛生で危険も高まります。そして実際に問題が起きることも少なくないのですが、クレームを言うために訪れると、すでに引き払って誰もいないということも珍しくないようです」(前出・夕刊紙記者)
こんな危険な手術でありながら、施術の値段は中国国内の公立病院の十倍にもなるというから驚きである。
中国のメディアのなかには、〈韓国三流医師が中国で荒稼ぎ 医師免許のない者も〉という見出しをつけて問題を追及している所もある。韓国の医師たちは中国で練習しているのではないかとの疑惑も生まれ、今後大きな外交問題にもなりそうな気配なのだ。