大阪のおばちゃんによるアイドルグループ『オバチャーン』が話題となっている。『オバチャーン』は2012年8月、平均年齢63.5才のおばさんで結成された現在13人(最大47人)のユニット。全員が地元の芸能プロダクションに所属しているが、コンビニのパートや元公務員など、ごくごく普通の主婦ばかりだ。
彼女たちのコンセプトは、AKB48の「会いに行けるアイドル」にちなんで「絡んでくるアイドル」。イベントの人気コーナーは、人生相談だ。週4日コンビニバイトに励むメンバーの「レッド」こと舟井栄子さん(65才)が言う。
「(ファンは)小学生から同年代まで。中には外国人さんもいて、カタコトのジェスチャーで答えてます(笑い)。仕事の悩みや愛人関係の相談までいろいろです」
例えば、ある日の相談はこんな感じ。
「仕事が長続きせえへん。すぐに嫌になる。どうしたら長続きしますか?」(20代フリーター)
この相談に、舟井さんは、相談者に唾がかかってしまいそうな勢いでしゃべり始めた。
「石の上にも3年という言葉があるけど、人間関係がいちばん難しいんよ。仕事はしたいけど、人間関係がうまいこといけへん、というの多いねん。そういう時はあんたね、周りを無視したらええ。周りを気にせんことや。
そんで、なんかひとつでも、他人のでけへんことができたら、周りから頼りにしてもらえる。例えば、お茶汲みでもよろしいですわ。だいたい仕事ってお茶汲みから始まりますやん。そしたら心を込めて、おいしいお茶の入れ方を覚えるんよ。飲みはった人に“あんたに入れてもろたのがいちばんおいしいわ”と言われたら、自分も嬉しくなるし…(この後延々10分以上続く)」
ようは、“他人の目を気にしない”というアドバイス。中には、「ありがとうございました」と、涙を流して喜ぶ人も多いとか。そのため、デビューCDには、握手券ならぬ、「人生相談券」を付けた。相談者は本気で悩みを打ち明け、『オバチャーン』たちも本気で答える。この“ガチ”さがウリなのだ。
※女性セブン2013年12月19日号