剣道と相撲といえば、いずれも日本古来の伝統的な武術と格闘技だ。しかし、あらゆるものを韓国起源と主張する人々がネットを中心に存在する韓国では、剣道も相撲も「ウリジナル」(われわれのオリジナル)だと主張する人々がいる。
韓国の剣道団体である大韓剣道會や世界剣道協会が、剣道の起源は韓国にあると主張し、侍や日本刀、武士道なども韓国起源だと称している。しかし、剣道は日本統治時代に韓国に伝わったもので、韓国では剣道を「コムド」と呼ぶが、これは「剣道」の韓国語読みである。もともと朝鮮半島には中国やモンゴルから伝わった両刃の剣や「環刀」と呼ばれる片刃の直刀しかなく、日本刀を基礎とした剣道が生まれる素地がない。
そして韓国の「シルム」は、裸で投げを打ち合う相撲のような格闘競技で、日本の相撲はシルムが起源だと主張している。しかし、日本の相撲の始まりは古墳時代にまで遡り、また、同じような原始的な格闘競技はモンゴルや中国など世界各地に存在し、起源など知りようがない。
※週刊ポスト2013年12月20・27日号