2013年11月13日、都内ホテルにて開かれた「『ゴルゴ13』生誕45周年を祝う会」。会場には、著名漫画家63人が描いた「デューク東郷」のイラストがズラリと並んで出席者を楽しませた。
職業・超A級スナイパー。自称・デューク東郷。本名、国籍不明。18か国語を操り、あらゆる格闘技をこなす。嘘をついた依頼者や素性を探ろうとする者は容赦なく殺害する。人が背後に立つことを許さない。特定の思想も顧客も持たず、巨額の報酬と引き替えにどんな狙撃でも成功させる。
「ゴルゴ13」は、さいとう・たかを氏が生んだ不世出のヒーローだ。
この日行なわれた記念パーティには藤子不二雄A氏やちばてつや氏ら友人の漫画家たち、ゴルゴファンを公言する麻生太郎副総理などが駆けつけ、総勢400人以上が会場を埋めた。
1968年11月29日発売の『ビッグコミック新年号』に第1話が掲載されて以来、一度も休載せずに連載45周年を達成した。現実の複雑な世界情勢を巧みにシナリオに取り込んだ構成、その情報量、主人公のゴルゴ13の圧倒的な存在感に老若男女問わずファンは多い。
さいとう氏の偉業を称えるべく、会場には総勢63名の人気漫画家が描いたそれぞれの「デューク東郷」がズラリと並んだ。
松本零士氏や水木しげる氏、水島新司氏らをはじめ、『SLAM DUNK』の井上雄彦氏や『YAWARA!』の浦沢直樹氏、『ONE PIECE』の尾田栄一郎氏、本誌でお馴染みの業田良家氏、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリ氏など顔ぶれは豪華そのもの。
また『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本治氏のように自身の作品にゴルゴを登場させたり、黒鉄ヒロシ氏は粘土でゴルゴを製作したりするなど人気漫画家がアイデアを競い合い、会場の人々は食い入るように63人のゴルゴを見つめていた。
『島耕作』シリーズで知られる弘兼憲史氏はこうお祝いの言葉を述べた。
「読めば世界情勢も学べてしまう。こんな漫画、どこにもありません。しかも45年間で、単行本の累計は3億冊に近いと聞いています。漫画界に燦然と光る偉業と言っていいでしょう。これからも記録を伸ばしてほしい」
『ドラゴン桜』の三田紀房氏は、「45周年なんて、まさに前人未到。さいとう先生の存在は偉大すぎて、お近づきにもなれません」と語った。
※SAPIO2014年1月号