韓国の反日運動が2013年ほど盛り上がった年はない。そこで、『悪韓論』がベストセラーとなっている元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏に、親日派への弾圧についてのエピソードをあげてもらった。
ひとつは、釜山の繁華街で5月、日本の領事と、領事館の韓国人職員が話していたところ、中年の夫婦が「チョッパリと付き合うのか」と嘲笑。チョッパリとは直訳すると「ヒヅメが割れた奴」で、日本人に対する蔑称。夫婦と領事館員が乱闘になり、止めに入った日本人領事も1発殴られた。
ソウルの中心部にある宗廟市民公園で、老人が「日本の統治時代は良かった」と述べたことに、酒に酔った37歳の男が腹を立て、老人が突いていた杖で頭を何度も強打。老人は病院で死去。9月になって懲役5年の判決が下ると、ネットには「反日につき無罪」を要求する書き込みがあふれた。日本の全国紙が、この事件を全く報じなかったのが恐ろしい。
プロ野球韓国シリーズに「サプライズゲスト」として登場した朴槿恵大統領は恰好良く始球式をこなしたのだが、履いていたのが日本製アシックスで、ネットは非難囂々となった。自ら播いた「反日」に足元を掬われた形だ。
※週刊ポスト2013年12月20・27日号