婚活の第一歩は「お箸の持ち方」だった!? さりげなくチェックされている食事のマナーについて、フリー・ライターの神田憲行氏が考える。
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「週刊ビッグコミック スピリッツ」の2014年1月1日号に掲載された漫画家黒丸さんの「受付はこちらです」に気になる描写があった。
婚活にかける男女のコメディーなのだが、ヒロインの女性が合コンで見た「クロス箸」の男性について《箸の持ち方が汚い。→親のしつけがなってない。→家庭環境or親に問題アリ。→親戚になりたくない。→結婚したくない。→付き合えない。》と「思考の飛躍」をしてダメだしするのである。
クロス箸とは、お箸を正しく「平行」に持てず、「X」の形に持ってしまうこと。えっそんなお箸の持ち方ひとつで判断されるの? 実は私もクロス箸だ。慌てて傍らの妻にたずねた。
私「お前、結婚する前に俺の箸の使い方をチェックした?」
妻「(コクリ)」
「ダメだと思った?」
「(コクリ)」
「……結婚してくれてありがと」
「(ニコリ)」
ぬぉぉぉ、危なかった!SNSでも男女問わず友人たちに聞いていくと、出を出るわ「ダメだし」のオンパレード。
「あー生理的にだめかな」
「(食事のとき)見てましたね。所作が美しいと全体的によくみえるような。ダメ出しとかはしないですが」
「合コン、デート、お箸の持ち方もちろんチェックします。あと、クチャクチャ音出して平気で食べる、とかもチェック。親戚と関わりたくないは言い過ぎですが、お育ちが残念、とは考えてしまうかも」
「お箸の持ち方『だけ』で除外はないけれど、ひとつのマイナスポイントになる」
「私の友人も彼氏の箸の持ち方が我慢できない、お父さんに会わせられないと言って別れてました」
「しますね。男性だけでなく、女の子でも」
「気にして見るわけではないんですけど、目にはいると気になります。私自身が小さい頃持ち方をずっと正せなかったので」