テレビがつまらなくなった理由として、近年では、PTAや一般視聴者からの批判に敏感に反応し、作り手が自主規制することなどがあげられる。さらには、放送界の第3者機関であるBPO(放送倫理・番組向上機構)に内容をチェックされ、問題があれば自社の検証番組を放送せねばならないという状況もある。
そうしたテレビ制作の“自主規制ムード”が出演者にまで伝染したという声もある。制作会社社長が語る。
「かつては、収録の時に、先輩格の芸人が新入りに“あそこでオッパイ揉んどけばオイシイぞ”とか“あのアイドルを本気でドツいたら笑える”と悪知恵を付けてた。そして実際、それをやってお蔵入りになるケースもあれば、とんでもなく面白い絵が撮れることもあった。
ところが今では、先輩芸人が率先して後輩に収録のルールを徹底させるようになっている。収録が楽になったといえばそうなのかもしれませんが、この風潮をよしとし、テレビマンが問題意識を持っていないのが何より深刻な問題だと感じています」
※週刊ポスト2013年12月20・27日号